カーボンの紹介

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カーボン(Carbon)とは

カーボン(Carbon)は「元素記号:C」の元素で、炭素を意味します。

カーボン = 炭素

炭素の元素だけから成る一定の結晶構造を持つ物質には、「グラファイト(黒鉛)」や「ダイヤモンド」があります。どちらも元素記号 C であらわせる物質ですが、構成する原子配列や結晶様式が異なるため、炭素の同素体※と呼びます。

また、炭素化合物(一部を除いた有機化合物)を蒸し焼きにすれば、炭素が得られることから、「炭素繊維(カーボンファイバー)」・「木炭/活性炭」・「コークス」など、きちんとした結晶構造を持たない無定形炭素があり、出発原料の違いにより性質や名称が異なります。

これら、炭素および炭素を主成分とする製品を総称して、一般的に「カーボン」と呼ばれています。また、一部のコミュニティでは、炭素繊維(カーボンファイバー)を利用したカーボンコンポジット製品を「カーボン」と略して呼ぶ傾向もあるようです。

その他では、炭素および炭素化合物を空気中で燃やすと、酸素と結びつき二酸化炭素(co2)が発生しますから、この二酸化炭素(Carbon Dioxide:カーボン・ダイオキサイド)の略語から、「カーボン・オフセット」や「カーボン・ニュートラル」など、“カーボン”と名の付く言葉も生まれています。また、二酸化炭素の排出が少ない社会のことを「低炭素社会」とも呼びますが、語源は同じです。

※ 炭素の同素体には、サッカーボール状の構造を持った「フラーレン(C60など)」、グラファイトを円筒状に丸めたような構造の「カーボンナノチューブ」、ダイヤモンドよりも硬い「ロンズデーライト」などもあります。

2.グラファイト(Graphite)とは|▲ページのトップへ

 

グラファイト(Graphite)とは

グラファイトは、六角形格子状に結合している炭素原子のシートが積層している、カーボン(炭素)だけから成る物質で、黒鉛(またはカーボングラファイト)とも呼びます。

グラファイト = 黒鉛

グラファイトには、天然の鉱物から採れる天然黒鉛(石墨)と、石油・石炭系の原料からつくられる人造黒鉛があります。

この材料は、鉛筆の芯の原料にも使われていますから、まず黒いこと、軽いこと、電気を通すなど、大体どんな材質なのか想像できるかと思います(鉛筆の芯は、黒鉛粉末と粘土を捏ねて成形・焼成したものです)。

人造黒鉛ブロックの作り方は、一般に原料の石油コークスやピッチコークを粉砕機で粒子状にしてメッシュで分級、これにコールタールピッチを加えてペースト状に捏合、それから成形 → 焼成 → 黒鉛化のプロセスを経て黒鉛材料になります。この製法から分かるように、グラファイトは黒鉛結晶構造をもつ炭素粒子の焼結体です。

尚、グラファイトは、弊社で主に取り扱うカーボン素材のひとつになります。

⇒ グラファイト材とカーボン材の写真見本は、こちらをご覧下さい

⇒ 炭素材および炭素製品については、こちらに詳しく書いてありますので参照してください。

※ 黒鉛は、“黒”い“鉛”と書きますが Pb ではありません。石墨の意味をもつ「black lead」が語源のようです。

3.グラファイトの特徴|▲ページのトップへ

 

グラファイトの特徴

(1) 熱に対する性質が優れている。
耐熱性、熱伝導性が有り、急激な熱変化にも耐えられます。高温で寸法変化が少なく、また、高温下で強度が増します。

(2) 電気を通す(導電性)
モーターのブラシ、電池の電極、パンタグラフのすり板(電車の集電装置部品)など、各種電極材として電気部品に使われるのはこの性質が有るからです。また、グラファイトの電気抵抗を利用して、電磁誘導加熱の発熱体や、直接電気を流して高温炉の発熱体(ヒーター)としても使用します。

(3) 軽くて加工が容易
アルミより軽く、精密な機械加工も容易に行えます。

(4) 耐薬品性がある。
常温では、ほとんどの酸・アルカリに耐え、ガラス、石英とも反応しません。また、ほとんどの融解金属と反応しない性質があります。

(5) 自己潤滑性がある。
自己潤滑性で相手部品をいためず、機械用軸受や摺動シール材(ベーン・メカニカルシール)等で使用されています。

※このような他の材料には無い優れた特性が有りますから、半導体・電機・自動車、航空宇宙などの各産業で幅広く使用されています。

4.グラファイトの種類について|▲ページのトップへ

 

グラファイトの種類について

グラファイトは、成形方法の違いから CIP材(シップざい)・押出材・モールド材の、3つの種類に分類されます。成形後は焼成 → 黒鉛化のプロセスを経て、黒鉛構造の組織になります。

■CIP材 ※CIP = Cold Isostatic Press(冷間静水圧プレス)
等方性黒鉛とも呼ばれます。成形は原料をゴムの容器型に入れ、6面を等圧でプレスする方法ですから、力が均一に掛かり、どの面も強度にバラツキの少ない材料です。きめ(肌理)が細かく、他の成形方法に比べ機械的特性は優位です。

■押出材
異方性黒鉛です。成形は原料を押出型に入れ、片方から圧力をかけノズルから押し出す方法で作るので、このように呼びます。きめ(肌理)が荒いため、炉材のプレート・トレーなど用途が限られますが、他と比べて価格的には有利な材料です。

■モールド材(型押材)
原料を金型に入れ、プレスして成形します。このためプレス面と他の面との強度に差があります。小型材料の大量生産方式に適した成形方法です。

5.その他カーボン材について|▲ページのトップへ

 

その他カーボン材について

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)
炭素繊維(CF)と樹脂(主にエポキシ等の熱硬化性樹脂)の複合素材で、カーボンコンポジットとも呼ばれています。比重が1.5〜1.8ですから鉄の7.8に比べ軽量な素材で、同じ質量であれば非強度・非弾性率とも鉄より優れた特性があります。ただ、マトリックス(母材)が樹脂のため、表面の硬さ・耐熱温度・耐薬品性などの性質は、使用する樹脂に影響されます。

C/Cコンポジット(炭素繊維強化炭素複合素材)
炭素繊維と炭素または黒鉛マトリックスの先進複合材料で、通常のグラファイト材よりも強度、耐衝撃性が優れています。この特性を利用して、F1や航空機のブレーキ材(ディスクロータ・パッド)、ロケットのノズル部などに採用されています。
炭素繊維を基材に樹脂あるいはピッチを含浸させ、焼成して炭素化(必要に応じて黒鉛化)する含浸法、あるいは炭素繊維基材に炭化水素を熱分解して得られる炭素を沈積させるCVD法によって製造されています。

グラファイトシート(黒鉛シート)
シート状に成形したグラファイト材で、高い熱伝導率、軽量で熱に強いなどの特性があります。ガスケット・パッキンなどのシール用、クッション・スペーサー用、電子部品の放熱用などの用途で使用されます。“膨張黒鉛シート”と“黒鉛化高分子フィルム”の2タイプを扱っています。

放電加工用グラファイト
放電加工機の電極用グラファイト材です。銅電極と比較すると軽量で切削性が良いですから中〜大型電極に適し、荒・中仕上・仕上など各種グレードの放電加工用グラファイト材があります。

ガラス状カーボン(ガラス状炭素・グラッシーカーボン)
ガラスではなく熱硬化性樹脂を炭素化した素材で、気体を通さない、電気を通す、酸性に強い、耐摩耗性があるなどの特徴があります。ショア硬度が100(HS)以上と硬く、かさ密度は1.5g/cm3前後、板厚が数mm程度の素材です。
性能は少し落ちますが、グラファイト製品にガラス状カーボンを表面処理することも可能です。

黒鉛粉末
天然黒鉛を粉砕・粒子化した鱗状(りんじょう)黒鉛粉末や土状(どじょう)黒鉛粉末のほか、石油・石炭燃料より作られた人造黒鉛の粉末などがあります。

特定用途向けカーボン
燃料電池用、半導体製造プロセス用、軸受用、摺動シール用、電動モータのブラシ用など、特定用途向けの特殊カーボン材があります。

※カーボン材とカーボン製品については、こちらよりお気軽にお問い合わせください。

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